人を惹きつけるリーダーになる魔法の3ステップ<前編>
インプレッションデザイナーの西岡慎也が、インプレッションサロンからお送りします。各界から素敵なゲストをお招きし、在り方・考え方についてお話していきます。今回のゲストは、在り方の専門家で恋愛の専門家でもある坂東洋彰さんです。
リーダーに必要なのは、リーダーシップではない?
西岡 本日は、坂東洋彰さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
坂東 よろしくお願いします。
西岡 相変わらず雰囲気ありますよね。今日良いですか、もうバンちゃん(坂東)で。
坂東 いいですよ。
西岡 今日はバンちゃんと、『リーダー』をテーマに話していきたいと思います。
坂東 はい。
西岡 リーダーというと印象が大事ですよね。僕もスタイリストとして20年近く仕事していて、セミナーで必ず「印象って大事ですか?」と挙げてもらうんです。そうすると、全員が手を挙げるんですよ。それもずっと。500回以上セミナーをやってきてです。
坂東 そうなんですね。
西岡 じゃあ、印象とはなんだ。つまり、インプレッションというのを紐解くと、英語でインと書いてあるんです。みんな印象というと外側に向けちゃうけど。僕の師匠は、いつもこう言ってました。「インだから内側なんだと。考え方とか在り方をプレスするのだから、押し出されると」。
坂東 なるほど。
西岡 それを踏まえて、リーダーとしての在り方、考え方を伝えるべく、『リーダーズインプレッション』をやっております。ということでですね、まず、バンちゃんが大事にしているリーダー像というところからお話を聞きたいなと思うんですけど。
坂東 やっぱり、自分がどう生きるかということを決めている状態ですよね。それに対して、自分ができることを周りの人にどんどん、ただひたすらとことん与える状態を作れている人。実は、そういう人は、リーダーをやっている感覚はないんですよ。
西岡 あ、感覚はないんですね。
坂東 リーダーというのは、リーダーシップじゃなくて、フォロワーシップを作れている人がリーダーだと思っています。
西岡 フォロワーシップ?
坂東 要は、このリーダーを支えたいと思われている人がリーダーということです。
西岡 それは深いですね。
坂東 引っ張るのがリーダーじゃなくて、支えたいと思われるような人がリーダー。だから人がついていくんですよね。
西岡 みんなリーダーというと、引っ張っていくっていうイメージがありますよね。
坂東 もうそういう時代じゃないですね。
西岡 あ、時代じゃない?
「俺について来い」型リーダーは時代遅れだ
坂東 昔のスクールウォーズの時代はソレでよかったかもしれないけれど、そういう時代じゃなくなりましたね。調和というものが求められる時代になりましたよね。
西岡 調和ね。それは昔も必要だったんですかね?
坂東 昔は何もモノがない時代だった。だから切り開いていかなければならなかった時代ですね。無いものを創るとか、人がやっていない領域に入っていく、茨の道を切り開いていく覚悟が必要だった。今はもう、便利で何でもあるので。これをどう使うか、どう活かすかのほうが大事になりました。そうすると、無いものを探すんじゃなくて、在るものをどう活かすかが大事。
西岡 いきなり(良い話題が)来ましたね。
坂東 モノだけじゃなくて人の心も、存在するものも全部同じ。在るものをどう見出して、どうサポートしてあげるか。そういうことを真剣にやっていれば、人に恨まれることはないから。絶対、その恩を返そうという気持ちが(相手に)自動的に出てくるんじゃないかなと。
西岡 うんうん。
坂東 そういう人たちが、周りにいっぱいついてくると、自ずとその人はリーダーになってますよね。
優れたリーダーはメンバーにスポットライトを当てる
坂東 人の心を照らす灯台のような人間になっているわけですよね。人間、一番最初は、とにかく飯を食わないといけないという状態から始まります。周りの人を引っ張るとかサポートするとかいう概念を考えている余地はない。
西岡 生存欲求ですね。
坂東 そうそう。言ってしまえば、ライスワークしているわけです。
西岡 なるほど、飯を食べるためのワークだと。
坂東 ライスワークしているのが、だんだん安定してくると、もう少しゆとりができますよね。そうなると、食べるということよりは、自分がやっていることに対して楽しくなります。すると、自分の仕事が好きになって、ライクワークになるわけです。
西岡 ライスからライク。
坂東 そうそう。好きでやっている、好きでサポートしながら、与えながらやっている状態が加速していくことで、いつの間にかみんなの真ん中に入っているという状態になります。すると、みんなを照らす灯台になって、ライトワーク。
西岡 照らすから。ライトワーク。
坂東 だから、世の中のヒーラーと呼ばれる方たちは、ライトワーカーというわけじゃないですか。
西岡 そういうふうに聞きますね。
坂東 ライス>ライク>ライトですね。そういう順番ですね。この逆がダークマターなので。
西岡 ダークマター?
坂東 要は、与えるんじゃなくて、奪う。逆ですね。
西岡 なるほど。
坂東 ライトサイドじゃなくてダークサイドなんですよね。そういう光の概念で生きていく人が、最終的には与えたものが戻ってきます。支えられるっていう状態になるので。そういう方が本物のリーダーなんだろうなと思います。
誰にでも必要な先を見通す力
西岡 だけど、今の時代、まだまだライスワークというか、クレクレクレとか。会社の愚痴だったりとかね。これだけの給料しかもらえないじゃないかと。会社に愚痴、不平、不満…あれってなんで生まれると思います?
坂東 やっぱりその人のものの捉え方の次元が高くないんですよね。基本的にものの見方が上昇しない限りは、捉え方の抽象度が低くなるので、分離した考え方になってしまうんですよね。
西岡 抽象度というのは?
坂東 抽象度っていうのは、ものの見方の視点の高さです。抽象度が低いということは、目の前しか見えていない、ここにあるものしか見えていない状態ですね。でも、抽象度が上がっていくと、テーブル全体が見えてくるので、捉え方が変わって、コレがあったんだというのが分かる。俯瞰力ですね。そこの力が弱い。
西岡 だからどんな時でも不平、不満が起きる。
坂東 目の前のことにテンパってしまう。
西岡 バンちゃん、そういう時あったんですか?俯瞰して見れなかった時代。
坂東 普通にありますよ。そういう時代が長かったですね。
西岡 あ、長かった?だいたい何歳くらいまで?
坂東 30後半…
西岡 マジ?
坂東 なんだかんだわかってなかったという感じですね。今を捉えて生きるのは大事なんですけれど、大抵の人は今生きているけど、今という軸から過去と今を繋ぐようにループしていく方が多いですよね。でも、ここ(今)からこっち(未来)が見えないと、お先真っ暗だから不安になるんですよね。だけどこっち(今と過去のループ)で生きちゃってるという。これは何か過去に抱えた状態ですよね。人生に悔いを残した状態で生きています。だから、先を明るく見通すイメージ、考え方を持って生きれない。
「アイツにはなりたくない…」人生の低迷期と転換点
西岡 僕と会った当時、バンちゃん、どんな仕事してたっけ?
坂東 13年くらいスカウトマンをしていました。
西岡 そうでしょ?もうリアル新宿スワンみたいな。当時からバンちゃんのもとには、すごく人が集まって来ていましたよね。在り方も(しっかり)あったんじゃないかなと思うんですけれど。
坂東 まぁもちろん、当時は当時の在り方があったんだと思います。でも今、目の前のことをこなすという生き方だけでした。だから、どこかで「このまま行ったら、未来どうなるのかな」っていう恐怖心はあったんですよ。街で50くらいのハゲ散らかしたおじさんがスカウトやってるのを見たんですよ。そのとき「オレ、あいつにはなりたくねぇ!」って思ったんですよね。
西岡 将来が見えなくなった瞬間があった?
坂東 うん、そうですね。なんか同じことをずっと繰り返しているように感じてたんですよね。家帰って寝て起きてスカウト行って、また帰ってきて、女の子を教育して、また帰ってきて…これをずっと繰り返していたから。夜は飲み行ったり、そういう感じでやってました。それで、ずっとこれやってたら俺バカになるなと。ずっとこの業界でやっていくつもりはなかったし、何か切り替えなければまずいなと思ってました。やってたことを手放す勇気を持った時、人生が変わりましたね。
西岡 今、そうとう良いキーワード出ましたね。やってたことを手放す勇気。
坂東 スカウトからセミナー業界とかに切り替えた時、そっち(スカウト)を手放すと決めている状態でした。
西岡 当時(スカウトの)お給料も良かったんですよね。
坂東 自由な時間もありますよね。
西岡 それ手放せない人もなかなかいますよね。
坂東 そうですね。過去を手放すことで人は大きく変わる
西岡 手放せないから不満が起こるんでしょうか?
坂東 どこかで手放せないという感覚もあるでしょうね。だけど結局は、愚痴が出る悩みというのは基本的に、不自由さを感じているからなんですよね。不自由だから、自由になりたいという感覚で、愚痴るんですよ。基本的に。心の余裕がないとか、ストレスとか、人間関係。あとは、今に満足できてないとか、不安があるとか。だいたいこの4つの中からしか悩みは生まれないと言われているんです。これのどれかが引き金になって始まっているというのが多い。だからやっぱり、今起きている現象そのものに意味はあまりないんです。人間というのは16歳まででトラウマが形成されると言われています。なので、そこまでの経験を紐解いていくと、だいたい学生時代か親かの絡みでそういうもの(トラウマ)を産んでしまっている。
西岡 アンカリングという状態。
坂東 それが根っこにグッと突き刺さってるんですね。
西岡 埋まってるような状態でしょうか?
坂東 そうそう。普段は、それが眠っている状態なんです。
私たちを雁字ガンジガラメにするトラウマ
坂東 例えば、体育の先生に怒鳴り散らされましたと。それで怖いというイメージを持つと、大きい声とか大きい音を聞いた時に、それがトリガーになって掘り起こされるんです。それが収まるとまた元に戻る。それがまた発生すると、また(トラウマが)上に上がってくるというのがループしているんですよ。この杭が残っているわけじゃないですか。これを抜かないといけない。残念ながら根っこから出ている杭というのは、鎖が体に絡みついているので、一生懸命前に進んでもダメ。MAXのトーンで行ったら、引き戻されちゃうんですよ。
西岡 そっかそっか。例えば、過去の親との関係とか、学生時代とか、嫁さんとか…引き金になるものがあるんですね。じゃあもしかしたら、この部分を解決していかないと、このトリガー、アンカーが外れないということでしょうか?
坂東 大体の人はそうです。
西岡 そうか。
坂東 そういうものを根本的に気づかないといけない。でもね大体、「どういう悩みがありますか」と聞いた時、「今、未来に一歩踏み出す勇気がありません」とか、「人間関係が上手く行ってません」とかね。そういう悩みを聞いた時、それだけで大体わかっちゃうんですよね。
西岡 ああ、そのアンカリングになっている部分がね。根っこの部分。
坂東 起きている現象というのは、体の内側から出てきています。まさにインプレスですね。例えば人間関係上手く行かないというのは、今に始まった話じゃないですよね。
西岡 うんうん、そうですよね。
セルフコントロールの秘訣=在り方の見直し
坂東 過去から今を生きれない。だからコミュニケーションが上手くないというところが絶対あるんです。人との対話の中で、なんかこれ言えないなとか、なんかこれ本当は言いたかったんだけど、今でもそういうの言えないんだよねって言う人多いんだよね。
西岡 うんうん。
坂東 自分の中で、「本音を言いたいけど言えない」という消化不良が起きているんですよね。消化不良ってどういうことかというと。胃というのが消化する場所、だから(本音を言いたいけど言えない人は)胃の経絡が落ちているんですよね。胃の経絡がどうなっているかをみれば、「あ、この人はコレが原因でこうなっているんだろうな」というのがわかってしまうんですよね。
西岡 そうなんですね。
坂東 体に出ますからね。勇気を持って前に出れませんという人も、前に行くというより、守備的になっているわけです。つまり自己防衛本能が強いんですよね。だから、これをやることでなんか言われるんじゃないかとか。やることで自分がそういう目で見られるんじゃないかとか。失敗したらみんなに迷惑がかかるんじゃないかとか。これは罪悪感持ってる人ね。そうしたら筋の経絡を通じて大腸と呼吸器系に障害が出るんです。こういう状態になるので、喘息の人とか大腸がんになる人というのは、自己防衛感とか罪悪感を抱えてずっと生き続けている人も少なくない。でも、そこを解消すれば、病気が治っちゃう人もいる。
西岡 本当に病は気からなんですね。
坂東 そうです。自分を病ませちゃっているんです。気を元に戻せば元気になるだけ。そこは自分のコントロールですよね。自分の在り方をコントロールしてると、自分を自在に操れる。
西岡 セルフコントロールということですね。
坂東 でもみんな自分のことをわかっていない。それなのに、自分を棚に上げてしまっているんです。
西岡 自分をわかっていなくて迷子になっているんですね。
第1ステップ:「しなければならない」から自分を解放する
坂東 結局、自分の投影が目の前にいる人です。ということは、それを見て直しなさいよということに気づけるか気づけないかという話なんですよね。これもモノの見方の視点になるじゃないですか。
西岡 確かに。じゃあ、バンちゃんのクライアントさんで、そういった事例とか紹介できたりできますか?セッションで、こういう風に変わっていったよねとか。
坂東 ある人は、自分の親が厳しくて、ガーッと言われてた。そして、それをそのまま自分もやってたとか。
西岡 何年くらい?
坂東 それは人によって変わりますね。30年やってたという人もいますし。
西岡 それがアンカリングとつながっているんですね。
坂東 そうです。
西岡 それはキツイね。
坂東 そう。気づいたら親と同じ仕事しちゃってるとか。だけど、本当はやりたくない。二代目とかの人に多いんですけどね。あとは、親の英才教育。「こうやりなさい、ああやりなさい」と。自分はやりたくないんだけど、親が満足してくれるなら、やったほうがいいのかなと。「~しなければならない」という状態ね。
西岡 ああ。have toの方ね、want toじゃなくて。「~したい」じゃなくて、「~しなければならない」と。
坂東 そう。そこにいるとだいたい愚痴が出るんですよね。これがあるっていうことは、トリガーの3ステップの初期段階がなんですよ。
西岡 トリガーの3ステップ?
坂東 トリガーを解除するためには、その3ステップの第一段階、一番深いところを根にしなきゃいけない。
西岡 なるほど。
坂東 過去から今をループしているので、しなければいけない状態になってしまっている。
西岡 しなければいけないっていうけど、「ファミコンしなければならない」なんて言ってファミコンしないもんね。したいからするんだもんね、ファミコン。しなければならないというのは苦しいですよね。
坂東 苦しいですよね。だから、自分自身の未来というものが見えてない。やらなければいけないから。こなすという状態になっているので、当然楽しくはないですよね。
西岡 そういう人のエネルギーってどうなっているのでしょう?
坂東 エネルギーは低いですよね。やらされてる感が出ているので。そうなると自分を見失っていくことにもなるし、やっても上手く行かないですよね。そもそもやる気がないから。言ってしまえば、怒られないためにやってると。給料もらうためだけにやっているので。そうなると、どうしても消化不良感とか、やらないとと怒られる罪悪感とか、こういうものが生まれてしまう。
西岡慎也
株式会社インプレッション 代表取締役/インプレッションデザイナー
これまでに2万人以上をコーディネートしてきた男性ビジネスパーソン専門のファッションコンサルタント。学生時代、従来のアパレルの販売方法に疑問を抱き、「服を売らずに、コーディネートによる”体験”を売る」という斬新な手法を確立し、勤務する古着店において約4千人のファンを獲得する。2001年、セレクトショップ「WITH PLEASURE」を開店。その経験を通して「ファッションによってクライアントの自己実現に貢献する」というスタイリストとしての在り方を明確にし、2010年、「株式会社ファッションスタイリストジャパン」を設立。外見に注目しがちなファッション業界において、顧客の考え方や在り方に注目した印象設計(インプレッションデザイン)を提唱。その独自のスタイルが評判を呼んでいる。
坂東洋彰
在り方の専門家&恋愛の専門家
恋愛における男と女のスレ違いを研究し初め、陰陽学、武学(医術・体術・兵術)、神道(天皇帝王学)など、様々な学問の分野において、約10万時間の研究を重ねると同時に、15年間で2万人以上の個別相談を実践。それらの膨大な知識と経験から、非常に高い再現率での導きを実現する手法を確立する。その手法は、様々な悩みに対して、起こっている表面的な現象にではなく、表面には現れない「在り方」に対してアプローチをすることで、悩みを根本から改善し、その人本来の自分らしいフローに変換します。現在、彼の実施する個人セッションや、研修、武術式体感ワークは、各方面から、「在り方のプロフェッショナル」として、非常に高い支持を得ており、常に人気を博している。
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